自分の上司に「さん」をつけない場合
電話の人:本田課長さんはいらっしゃいますか。 あなた:申し訳ございません。 本田は、今 出かけております。 これが、前回の電話の問題の答えです。 前回、自分の家族や会社の人について外の人に話すとき、 話題の人が自分より目上の場合でも、 「自分の側の人=広い意味での自分」と考えて、 話題の人を持ち上げる言い方をしない、と説明しました。 本田課長はあなたの上司なので、もちろん 本人に 話すときは、敬語を使います。 でも、 本田課長について 、 会社の外の人に 話すときは、 「さん」もつけません。「本田」だけです。 「課長」という語も、名前の後ろに付けたら「さん」と同じように尊敬を表すことばになるので、 どうしても「課長」ということを言いたければ、 「課長の本田は、・・」のように言います。 「でかけております。」の「おります」は 謙譲語 ですね。 つまり、「申します」「いたします」などと同じ、 自分の側を下げて言うことによって相手に敬意を示すことば です。 難しい!と思った方、安心してください。実は、生まれた時から日本語を話している人にとっても、このような言葉遣いはとても難しくて、できない人も多いのです。その実態については、また次の機会にお話ししたいと思います。