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6月, 2014の投稿を表示しています

自分の上司に「さん」をつけない場合

電話の人:本田課長さんはいらっしゃいますか。  あなた:申し訳ございません。       本田は、今 出かけております。 これが、前回の電話の問題の答えです。 前回、自分の家族や会社の人について外の人に話すとき、 話題の人が自分より目上の場合でも、 「自分の側の人=広い意味での自分」と考えて、 話題の人を持ち上げる言い方をしない、と説明しました。 本田課長はあなたの上司なので、もちろん 本人に 話すときは、敬語を使います。 でも、 本田課長について 、 会社の外の人に 話すときは、 「さん」もつけません。「本田」だけです。 「課長」という語も、名前の後ろに付けたら「さん」と同じように尊敬を表すことばになるので、 どうしても「課長」ということを言いたければ、 「課長の本田は、・・」のように言います。 「でかけております。」の「おります」は 謙譲語 ですね。 つまり、「申します」「いたします」などと同じ、 自分の側を下げて言うことによって相手に敬意を示すことば です。 難しい!と思った方、安心してください。実は、生まれた時から日本語を話している人にとっても、このような言葉遣いはとても難しくて、できない人も多いのです。その実態については、また次の機会にお話ししたいと思います。

お父さんに「さしあげる」?「あげる」?

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あなたが、 「お父さんにプレゼントをさしあげましたか?」 と質問された場合、 「はい、さしあげました。」 「はい、あげました。」 のどちらの答え方をすればいいでしょうか。 正解は「あげました。」です。 お父さんは目上の人なのになぜ「さしあげました。」ではないのでしょうか。 この場合、質問している人は他人で、 「お父さん」は自分の父親、つまり「うちの人」だということが重要です。 言葉の使い分けの上では、 「うちの人=自分の側の人」は「広い意味での自分」 と考えるので、 他人に対して持ち上げる言い方をしないのです。 「広い意味での自分」と考えるものの代表は家族ですが、 会社員や店の店員という立場なら、会社や店を 「自分の側=広い意味での自分」と考える言葉の使い方が 必要になります。 それでは、次にこんな場合を考えてみましょう。 あなたは会社員で、今、会社の外の人からかかってきた電話を受けています。 あなたの上司の本田課長は今出かけています。 「本田課長さんはいらっしゃいますか。」 この質問にどう答えればいいでしょうか。答えは次回!

父の日のプレゼントは難しい

今日、 6 月の第 3 日曜日は「父の日」です。お父さんへの感謝を表すために、子供たちが贈り物をします。 お父さんに何をプレゼントするかを考えるのは、母の日よりも難しいと感じる人が多いようです。 その原因はいろいろですが、例えば… 1.お父さんとのコミュニケーションが足りないため、   好きなものがわからない    2.「お酒とそれに合う食べ物」「タバコに関する品物」など   お父さんが好きだとわかっているものには、 健康上の問題がある場合が多い 3.昔はよく選ばれていた「ネクタイ」が、 「クールビズ」と呼ばれる夏の服装の広がりによって あまり使われなくなった  などがあります。 では、ここで、日本語クイズです。 ある人が、町でインタビューに答えています。 正しい答えはどちらでしょう。 「 今日は父の日ですが、もうお父さんにプレゼントをさしあげましたか。 」 「 いいえ、まだです。  でも、今日中になにか   A さしあげる つもりです。              B あげる つもりです。 」 答えは次回!

雨がしとしと降れば

前回のクイズの答えです。 「あ、雨がポツポツ降ってきた!」 と言うとき、雨は今降り始めたばかりで、 空から一滴ずつ落ちてくる感じです。 これからどのぐらい強い雨になるかはわかりませんが、 今の状態はまだ弱い雨です。 「雨がザーザー降っている。」 は、激しい雨の降り方を表し、 部屋の中にいても雨の音が聞こえる感じがします。 「今日も朝から雨がしとしと降っている。」 と言うと、 雨の粒は小さく、音も静かですが、 ずっと続けて降っている感じがします。 単純に雨の強さだけを考えれば、 Cポツポツ  →  Aしとしと  →  Bザーザー ですが、「しとしと」は、他の二つとは違う面を持っていると思います。 「しとしと」は単純に音や降り方の状態を表すだけでなく、 静かに降り続ける雨が人の心に呼び起こす気持ちも一緒に表しているようです。 「しとしと降る雨」は、 人の心を寂しく、少し悲しく、憂うつにする一方、 気持ちを落ち着かせて、何かを深く考えさせたり、懐かしい昔を思い出させたりします。 雨がしとしと降る日、あなたは何を思い出しますか?

梅雨に入りました

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昨日、関東地方が「梅雨(つゆ)」に入ったと、 気象庁が発表しました。 梅雨は、 6 月から 7 月にかけて、雨が続く季節です。 日本の南の方から始まって、北の方へ進んでいきます。 梅雨が始まることを「梅雨入(つゆい)り」、終わることを「梅雨明(つゆあ)け」と言います。 日本に住むと、 春の後に雨の季節が訪れ、その後に太陽がギラギラと輝く真夏がやってくることは、 自然のドラマのように感じられます。 蒸し暑く、うっとうしい季節ではありますが、 この季節のシンボルの紫陽花(あじさい)は、雨の中できれいな花を咲かせます。 では、ここでクイズです。 A 雨が しとしと 降っている B 雨が ザーザー 降っている。 C 雨が ポツポツ 降っている。 これを、雨の降り方について  弱い → 強い の順番に並べてください。 答えは次回!