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「半分が」?「半分に」?「半分を」? 半分のうしろの助詞

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新しい年になりました。 時間がたつのは速いですね。今日はもう1月15日です。1月が・・ では、ここで今年初めての日本語クイズです。 私が次に言いたいこと 「1月が ・・」の「・・」に来るのはABCのどれでしょうか。 A 半分が終わりました。 B 半分に終わりました。 C 半分 終わりました。 さくらです。ことしもよろしく! 答えは、 C「半分 終わりました。」 です。うしろに助詞は何もありません。 「半分」を辞書で調べたら、「名詞:全体を二つに分けたものの一つ」と書いてあります。それなら、Aの「半分が」がいいように見えますが、「半分」には名詞だけではない使い方があります。それは、「ゆっくり歩く」の「ゆっくり」と同じように、動詞に直接続いて、その様子を表す働きです。 ですから、「りんごを 半分 食べた。」「宿題を 半分 やった。」「話が 半分 わかった。」のように、助詞を何もつけない使い方があります。 では、こちらの場合はどうでしょうか。 A りんごを半分を切りました。 B りんごを半分に切りました。 C りんごを半分 切りました。 この写真の意味なら、正しいのは、 B「りんごを 半分に 切りました。」 です。 「切る」という動詞の目的が「 半分にする こと」だからです。 では、C「りんごを 半分 切りました。」は、どんな意味になるのでしょうか。 これは、「りんごを切る」という仕事を半分やったような意味になってしまうのです。 りんごを半分切りました。 「半分」は簡単な言葉ですが、助詞の使い方は難しいですね。

はっぱが16枚

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11月も もうすぐ終わりですね。今年は、秋が短く、もう冬の寒さです。 この写真は、桜の葉です。桜はもちろん春の花が有名ですが、秋になると葉も赤や黄色に変わって、とてもきれいです。 「葉」の発音は「は」ですが、これに「っぱ」をつけて「葉っぱ」ということが多いです。「は」という言葉には、口の中の「歯」もありますから、「葉っぱ」というと「ああ、これは木の葉のことだな」とすぐわかって便利です。 では、この写真の中には、葉っぱが何枚あるでしょうか。 答えは「16枚」なのですが、それを一つの文の形で言うとき、助詞のまちがいがよく起きます。では、次の中から正しい答えを選んでください。 A 葉っぱが16枚があります。 B 葉っぱが16枚あります。 C 葉っぱ16枚があります。  難しいのは、「どこに助詞があるか」、そして「どこに助詞がないか」ということです。 16枚、みっつ、100メートル(m)などの数字があるとき、その数字の言葉のすぐうしろには、助詞がなにもありません。 例えば、次のようになります。 × 私は 100メートル が  泳げます。 〇 私は 100メートル 泳げます。 上の葉っぱの例では、 「葉っぱ が あります。」と「16枚 あります。」を組み合わせて、 Bの   葉っぱ が 16枚 あります。 が、正しい答えです。

助詞をまちがえたらどうなるか2

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今回は、前回の助詞の話の続きです。 次の例は、科学の実験です。 A と B は、何が違うのでしょうか。 A … 硫酸( H 2 SO 4 ) を   水 に  入れる B … 硫酸( H 2 SO 4 ) に   水 を  入れる 助詞が同じなら、ことばの順番を変えても意味は同じです。 A … 水 に   硫酸( H 2 SO 4 ) を  入れる B … 水 を   硫酸( H 2 SO 4 ) に  入れる それでは、 A と B を絵で見てみましょう。 「~ を 」は、「入れるもの」を表しています。 「~ に 」は、ものが「入っていくところ」を表しています。 A と B では、それが反対です。 理科の知識がある人は「あぶない!」と気がついたと思います。 B は爆発する 危険がありますね。 このように、助詞を間違えたらけがをする場合もあるのです。   実験や料理をする人は、この「入れる」という動詞と一緒に使う「を」と「に」をしっかり理解してくださいね。

助詞をまちがえたらどうなるか1

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「日本語で何が難しいですか。」と質問すると、大勢の人が「が」「に」「を」などの助詞がいちばん難しいと答えます。 では、助詞を間違えた場合、どんな問題が起きるでしょうか。 あまり問題が起きない場合と、大きい問題が起きる場合があると思います。 あまり問題が起きない場合は、相手に「ちょっとへんだな」と思われますが、何が言いたいかわかってもらえます。 例えば、「に」と「で」を間違えて、 「東京 で 住んでいます。」と言った場合がそうです。 相手は「東京 に 住んでいます」という意味だろうとわかってくれます。 「に」と「で」の違いについては   http://tofunihongokyoushitsu.blogspot.jp/2014/11/blog-post_16.html を見てくださいね。 反対に、助詞の間違いによって、すごい意味になってしまうこともあります。 先週、私が教えている大学の授業で、 「落ちてくる」ということばの使い方を練習していました。 ものが落ちて、話している「わたし」のほうへ来るという意味です。 A さんが、こんな例文を作りました。 木の枝 から   頭 が   落ちてきた。 その時の私たちの会話です。 とうふ:「ええーっ、本当ですか?! 怖すぎます。」 A さん:「本当です。」 とうふ:「警察を呼びましたか?」 A さん:「なぜ…?」 もう一度よく聞いてみたら、実は A さんが言いたいことは、 こちらでした。 木 から   枝 が   頭 に   落ちてきた。 これも、少しびっくりすることですが、警察を呼ばなくてもいいですね。 この文の中心にあるのは、   落ちてきた   という動詞です。 そして、「 木 」「 枝 」「 頭 」という名詞と 落ちてきた   との 関係を表している のが助詞です。 木 - から  「落ちてくる」という動きが始まるところ 枝 - が   落ちてきたもの   頭 - に   落ちてきたものが行く方向 ですから、名詞につく助詞が同じだったら、 ことばの順番を 枝 が   木 から   頭 に   落ちてきた...

「へ」と「に」は同じ?

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「へ」と「に」の違いは何ですか? こんな質問をよく聞きます。   「へ」と「に」は、どちらも使える場合があります。 会社 へ 行きました。 会社 に 行きました。 いつ日本 へ 来ましたか。 いつ日本 に 来ましたか。 うち へ 帰りたい。 うち に 帰りたい。 これらはどちらも正しい文です。 「行く」「来る」「帰る」について、その場所を表すときは 「へ」でも「に」でもどちらでもよく、意味も同じです。 「 へ 」は、「行く」「来る」「帰る」のような方向がある動きが、 向かうその「場所」を表します。 「へ」の働きはそれだけ です。 「 に 」にも同じ働きがありますから、 「へ」を「に」に変えても大丈夫 です。 でも、「 に 」には ほかにもたくさん別の働き があります。 それらを「へ」に変えることはできません 。 例 1 )買い物 に 行く。〔目的〕 例 2 )本をかばん に 入れる。〔向かう場所〕 例 3 )友達 に プレゼントをあげる。〔相手〕 例 4 )友達 に プレゼントをもらう。〔相手〕 例 5 )部屋 に テレビがある。〔ある・いる場所〕 例 6 )旅行会社 に 勤めている。〔所属〕 などなど…です。 このうち、例 1 )~ 例 3 )は、「へ」でもなんとか意味は通じるかもしれませんが、不自然です。 例 4 )から下は全然だめです。 よく、「『に』の意味は何ですか」という質問もありますが、 いろいろあるので、すぐに答えることはできません。 間違えやすい「で」との違いについては、このブログでも取り上げてきました。 こちら http://tofunihongokyoushitsu.blogspot.jp/2014/01/blog-post_31.html こちら http://tofunihongokyoushitsu.blogspot.jp/2014/11/blog-post_16.html です。 ところで、今、日本は「ゴールデンウイーク」です。 祝日が集中して休みの日が続くので、大勢の人が観光地 へ 出かけます。 私も草津温泉 へ 旅行...

成人式

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今日、 1 月 12 日は「成人の日」です。 日本のいろいろな場所の市・町・村で成人式が行われました。 男性はスーツ、女性は「振袖(ふりそで)」という華やかな着物を着ていくことが多いです。女性は美容院でヘア、メークをしてもらい、着物を着せてもらって出かけるので、朝早くから大変です。 何をするのか、ある大都市のプログラムを見てみたら、市長さんなどのあいさつ、有名人など特別なお客様のあいさつ、新成人のあいさつ、コンサートなどの内容でした。 地域の成人式に行けば、小学校や中学校の時の友達と久しぶりに会うことができます。子供の時と変わった人もいれば、変わっていない人もいて、会場でなつかしい友達をさがすことが、式の内容よりも大きな楽しみなのだと思います。 皆さんの国には、「何歳からが大人だ」というはっきりした境界線がありますか。 日本では法律の上で、 20 歳からが「成人」つまり大人と決まっています。選挙に行くことによって政治に参加するのも、たばこを吸ったりお酒を飲んだりすることができるのも、 20 歳になってからです。 法律の上では大人と言っても、日本の 20 歳のほとんどは、まだ親に学費を出してもらって大学や専門学校で勉強している人です。本当に自立するのはまだまだこれからです。 では、最後に久しぶりに助詞クイズをやってみましょう。 正しいのはどれでしょうか。 大人 [ A.が  B.を  C.に ] なる。 すぐに答えられましたか。 正解はCです。 「子供」つまりまだ大人ではない状態から、「大人」という新しい状態に変化するので、「に」が正しいです。 このクイズはちょっと簡単すぎたかもしれませんね!

場所の助詞「で」と「に」  「日本(で)住む」はなぜ間違いか

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皆さんは、「『住む』の前は『で』じゃなくて『に』ですよ。」と直されて、「あ、また間違えた!」と思ったことはありませんか。 場所の助詞といえば、「で」なのに、なぜ「~(で)住む」ではなく、「日本(に)住んでいる」と言わなければならないのでしょうか。 「に」を使う理由は、「住む」という動詞が表すのが、「何かをする」という具体的な動作ではなく、そこに「いつもいる場所がある」、「住所がある」、というような状態だからだと思います。 場所の助詞「で」は、具体的な動作、つまりアクション( action ) の舞台を表します。 例えば、「部屋で友達と話している」と言えば、「部屋」は「友達と話す」という動作をしている舞台です。ですから、「で」に続くのは、「ご飯を食べる」、「音楽を聞く」、「本を読む」などの具体的な動作を表す動詞です。 これに対して「住む」は、「そこ(に)いる」状態を表すと考えると、間違えにくくなるのではないでしょうか。 「住む」に似た動詞に、「生活する」がありますが、こちらはご飯を食べたり、掃除をしたり、寝たり起きたり、…というような具体的な動作を全部含めた意味を持っているので、 「日本(で)生活する」になります。 さくらはすてきなうち(に)すんでいます。 さくらはうち(で)ほんをよんでいます。

自転車(に)乗る

前回の「自転車(  )乗る」の答えは、 Bの 「に」 が正解です。 これに対して、どうしてAの「を」ではないのか、疑問を持つ人が多いと思います。 その理由は「乗る」という動詞がもともと持つ意味が 「何かの上に移動する」 ということだからと思われます。 確かに 「電車(に)乗る」 はこれで説明できますよね。 しかし、 自転車に乗るのは、電車のように何もしないで座っているわけではなく、 自分でハンドルやペダルを動かすのですから、 「車(を)運転する」 と同じように「を」を使いたくなります。 そこをがまんして「乗る」という動詞と「に」がセットになっているので、 「自転車(に)乗る」 と覚えてください。 馬の場合も 「馬(に)乗る」 と言います。 Cの「で」は、方法や手段、 つまり「何を使って目的のことをするか」を表すので、 「乗る」とは結びつきません。 「自転車で買い物に行く」 「自転車で学校に通う」 のように使います。 自転車に乗る人は、安全にも、助詞にも、注意しましょう!

自転車を? 自転車に? 自転車で?

とうふが日本語を教えている大学の留学生別科では、授業の合間に様々な行事があります。 例えば、先週の金曜日は、防災教育のための施設へ出かけて、地震の揺れや台風の大風を体験しました。 また、来月には自転車の安全な乗り方の講習会が予定されています。 日本では、最近自転車について交通ルールが少し変わったり、安全に対する意識が高まったりしています。 自転車を通学や生活に使う留学生はけっこう多いので、大切な行事だと思います。 では、ここで久しぶりに日本語クイズです。正しい助詞はどれでしょうか?   A .自転車 を 乗る   B .自転車 に 乗る   C .自転車 で 乗る 答えは次回!

梅の花「は」と「が」クイズの答え

前回のクイズの答えは、 「あ、こんなところに梅の花 ( が ) 咲いているよ!」です。 今、自分の 目の前にあるものを発見した り、 気が付いたり した場合、 「月 が きれいだ。」「ゴミ が 落ちている。」のように、 「が」 を使います。 では、 「は」 を使うのはどんな場合でしょうか。 ひとつは、発見したことを述べた 後で 、 それを話題にして 何かを述べる場合です。 「あ、こんなところに梅の花が咲いているよ! この梅の花 は 、白に近いピンクだね。」のように。 そのほかに、梅の花について 一般的なこと を述べる場合も、 「は」 を使います。 「梅の花 は 、ふつう桜より早く咲く。」のような文です。 「は」と「が」の使い分けについてはたくさんの論文がありますが、それでもまだ完全に説明できないぐらい、複雑なルールがあるようです。生まれた時から日本語だけを話している人は、なぜそんなことが問題なのか不思議に思うでしょうが、後から学ぶ人にとっては大問題ですよね。

梅の花と「は」と「が」

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昨日、散歩しているときに取った写真です。 これは、桜ではなく、梅の花です。 桜が咲くのはもっと暖かくなってからですが、 梅はまだ寒いころから咲きはじめ、春が近づいていることを教えてくれます。 では、日本語クイズです。 あなたは、友達と歩いていて、梅の花を見つけました。 そして、友達に言います。 「あ、こんなところに梅の花(   )咲いているよ!」 この(   )の中に入る助詞は「は」「が」のどちらでしょうか? 答えは次回!