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自己紹介

「とうふ先生」と呼んでください。今まで58の国と地域から来た留学生と一緒に日本語を勉強してきました。Please call me “Teacher Tofu”. I have taught Japanese Language to the international students from 58 different countries and regions.

2022年8月31日水曜日

読む練習:キーボードの上のネコ

 読んだ後で質問に答えて、正しく読めたかどうかチェックしてくださいね。<ことば>➡<読み物>➡<質問>➡<説明と答え>の順番になっています。

<ことば>

オンライン授業、学習(がくしゅう)システム、 キーボード、マイク、 カメラ、 画面(がめん)、ふた、 オンにする、オフにする、プログラム、再起動(さいきどう)する、フリーズする、強制終了(きょうせいしゅうりょう)する、サインインする

<読み物> キーボードの上のネコ

 みなさんは、コロナが始まってからたくさんのオンライン授業を受けてきたと思います。学生も大変ですが、実は先生も大変なんです。パソコンを使う授業では、小さなミスが大きな失敗につながりますから。みなさんも先生のいろいろな失敗を見て、「あー、また!」と思ったことはありませんか。
 まだオンライン授業にぜんぜん慣れていなかったころの私の経験です。ある日、自分のうちから授業をしていると、雨がザーッと降ってきました。私はその日、ベランダに洗濯物を干していました。「こんなとき、オンライン授業は便利だな。ちょっと学生に問題をさせて、そのあいだに洗濯物を中に入れよう!」と思いました。そして学生たちに「今から5分間で、問題の1番をしてください」と言ってから、自分のマイクとカメラをオフにして、ベランダへ洗濯物を取りにいきました。
 急いでパソコンの前に戻ってみると、キーボードの上に、うちのネコ「さくら」が立っていました。私は、パソコンのふたを開けたままだったのです。さくらはキーボードの上で、いったい何をしたのでしょうか。日本語クラスは消えていました。その代わりに、今まで見たことがないプログラムが開いて、画面はフリーズしていました。
「どうしよう!」パニックになりながら、強制終了してパソコンを再起動し、もう一度学習システムにサインインして、やっとクラスに戻ることができましたが、その時間は本当に長く長く感じられました。学生たちは変な顔をしていましたが、だれも何も聞きませんでした。日本語の授業が始まったばかりで、みんなまだ話せなかったのです。
 あとから、残念に思ったことが一つあります。それは、あのとき自分のカメラをオフにしなければよかったということです。もしカメラがオンのままだったら、学生たちは授業が突然消える前に、ちょっとおもしろいものを見ることができたのに。そして説明なんかなくても、何が起きたかわかったはずだったのに。

<質問>

学生たちは、カメラに近づいてくるネコを見ましたか。

a.見た/b.見なかった


<説明と答え>

私は、洗濯物を取りに行く前に、パソコンのカメラをオフにして、あとで「カメラをオフにしなければよかった」と残念に思いました。「もしカメラがオンのままだったら」は、実際とは違うことを表しています。「ちょっとおもしろい物を見ることができたのに。」は、実際には見ることができなかったということです。「何が起きたかわかったはずだったのに。」も、実際には「わからなかった」ということです。つまり、学生たちはどうして授業が途中で消えてしまったかわからずに、また始まるのを待っていたのです。

答え:「b.見なかった」

わたしが何か?なにもおぼえてません!