投稿

11月, 2015の投稿を表示しています

助詞をまちがえたらどうなるか2

イメージ
今回は、前回の助詞の話の続きです。 次の例は、科学の実験です。 A と B は、何が違うのでしょうか。 A … 硫酸( H 2 SO 4 ) を   水 に  入れる B … 硫酸( H 2 SO 4 ) に   水 を  入れる 助詞が同じなら、ことばの順番を変えても意味は同じです。 A … 水 に   硫酸( H 2 SO 4 ) を  入れる B … 水 を   硫酸( H 2 SO 4 ) に  入れる それでは、 A と B を絵で見てみましょう。 「~ を 」は、「入れるもの」を表しています。 「~ に 」は、ものが「入っていくところ」を表しています。 A と B では、それが反対です。 理科の知識がある人は「あぶない!」と気がついたと思います。 B は爆発する 危険がありますね。 このように、助詞を間違えたらけがをする場合もあるのです。   実験や料理をする人は、この「入れる」という動詞と一緒に使う「を」と「に」をしっかり理解してくださいね。

助詞をまちがえたらどうなるか1

イメージ
「日本語で何が難しいですか。」と質問すると、大勢の人が「が」「に」「を」などの助詞がいちばん難しいと答えます。 では、助詞を間違えた場合、どんな問題が起きるでしょうか。 あまり問題が起きない場合と、大きい問題が起きる場合があると思います。 あまり問題が起きない場合は、相手に「ちょっとへんだな」と思われますが、何が言いたいかわかってもらえます。 例えば、「に」と「で」を間違えて、 「東京 で 住んでいます。」と言った場合がそうです。 相手は「東京 に 住んでいます」という意味だろうとわかってくれます。 「に」と「で」の違いについては   http://tofunihongokyoushitsu.blogspot.jp/2014/11/blog-post_16.html を見てくださいね。 反対に、助詞の間違いによって、すごい意味になってしまうこともあります。 先週、私が教えている大学の授業で、 「落ちてくる」ということばの使い方を練習していました。 ものが落ちて、話している「わたし」のほうへ来るという意味です。 A さんが、こんな例文を作りました。 木の枝 から   頭 が   落ちてきた。 その時の私たちの会話です。 とうふ:「ええーっ、本当ですか?! 怖すぎます。」 A さん:「本当です。」 とうふ:「警察を呼びましたか?」 A さん:「なぜ…?」 もう一度よく聞いてみたら、実は A さんが言いたいことは、 こちらでした。 木 から   枝 が   頭 に   落ちてきた。 これも、少しびっくりすることですが、警察を呼ばなくてもいいですね。 この文の中心にあるのは、   落ちてきた   という動詞です。 そして、「 木 」「 枝 」「 頭 」という名詞と 落ちてきた   との 関係を表している のが助詞です。 木 - から  「落ちてくる」という動きが始まるところ 枝 - が   落ちてきたもの   頭 - に   落ちてきたものが行く方向 ですから、名詞につく助詞が同じだったら、 ことばの順番を 枝 が   木 から   頭 に   落ちてきた...

七五三 7は「なな」? 「しち」?

イメージ
少し寒くなってきましたが、爽やかで気持ちのいい天気が続いています。 今、日本の神社へいくと、伝統的な着物を着た子供たちをよく見ます。   長いそでの着物は「ふりそで」です。 スカートのようなものは「はかま」、上着は「はおり」です。   これは、 11 月が「七五三(しちごさん)」という伝統的な行事の季節だからです。 漢字の七五三を数字で書くと7・5・3です。 7 歳の女の子、 5 歳の男の子、 3 歳の女の子がこのお祝いをします。 子供がここまで大きくなったことを家族で祝い、これからも無事に成長することを神様にお願いします。   「 7 歳」は「 しちさい 」ではなく「 なな さい」ですが、「七五三」は「 しち ・ご・さん」と発音します。 数字の7は「しち」と読む場合、「なな」と読む場合、どちらも使う場合 がありますから、ちょっと困りますね。 では、これを読んでみましょう。答えは下にあります。 ①  7 年 ②  7 月 ③  7 日 ④  17 日 ④  7 時 ⑤  7 分 ⑥  7 人 ⑦  7 番 ⑧  7 クラス 答え  (使わないものを 〇〇 のように消してあります。) ① ななねん しちねん ②   なながつ  しちがつ   ③ なのか   しちにち ③ じゅうななにち じゅうしちにち ④   ななじ   しちじ (「ななじ」を使うこともあります) ⑤ ななふん  しちふん ⑥ ななにん しちにん ⑦ ななばん  しちばん ⑧ ななクラス  しちクラス 「覚えられない!」と言わないで、よく見てください。 「なな」を使う場合と、どちらでもいい場合が多いでしょう。 ですから、②と④の「しちがつ」と「しちじ」だけをしっかり覚えて、ほかの場合は「なな」を使えば大丈夫です。 もし、それで間違えても、「なな」は発音がわかりやすいですから、たぶんわかってもらえるでしょう。 一方の「しち」のほうは「いち」と間違えやすいので、「し」のshをはっきりと発音してくださいね。 似ている記事はこちら: 数字の読み方 100~900をどう覚える? 数字の読み方 せん?ぜん?