「て形」の話題もこれで4回目ですね。
今日は、留学生Aさんの経験を紹介します。
ある日Aさんは、学校へ申し込みをしに行きました。
事務室でいろいろなコースの説明を聞いて一つを選び、
申し込むことにしました。
書類を書いて、手続きが全部終わったので、事務室の人に
「かえてもいいですか。」
と聞きました。
すると、事務室の人はちょっとびっくりした顔をして、
「いいですよ。では、もう一度、新しい書類を書いてください。」と言いました。
Aさんはそれを聞いて、「どうして?」と思いました。
さて、いったい何が起きたのでしょうか。考えてみてください。
考えている間に、久しぶりに猫の「さくら」に出てきてもらいましょう。
最近はこの教室のアシスタントだということも忘れて、
暖かいところで寝てばかりです。
去年の3月にうちへ来るまで、さくらは飼い主がいない動物を世話するペット・シェルターというところにいました。
そこでは「ホーリー」という名前で呼ばれていましたが、うちへ連れてくるときにシェルターの人に「新しい名前に変えてもいいですよ。」と言われたので、「さくら」という名前に変えました。
実は、この話の中に、問題の答えがあります。
Aさんは、うちへ「帰りたい」のですから、
「かえってもいいですか。」と言わなければならなかったのです。
「かえて」は「変える」のて形です。
それで、事務室の人はAさんが今決めたばかりのコースを他のコースに「変えたい」と理解したのです。
二つの動詞の辞書形「かえる」を整理してみましょう。
帰る : か¯える … Ⅰグループ → か¯えって
変える: か「える …Ⅱグループ → か「えて
意味やグループだけでなく、アクセントも違うので気をつけてくださいね。