「心が折れる」という表現

日本語には、「足を伸ばす」(わざわざちょっと遠くまで行く)、「腹が立つ」(怒る)など、体の一部を使った慣用表現がたくさんあります。 また、く「心」についても、「心が躍る」(楽しみで興奮する)、「心に刻む」(忘れないようにしっかり覚える)など、様々な言い方があります。 そんな中で、最近若い人を中心によく使われるようになった表現で、ちょっと気になっているものがあります。 それは、「心が折れる」です。 昔はそんな言い方はあまりしなかったような気がします。 「心が折れる」 この意味は、 それまでがんばっていたのに、 自信を無くすようなことや とてもショックなことに出会って、 突然やる気や元気をなくしてしまうということです。 「折れる」には、硬い棒のようなものがポキッと二つに折れて、 もう元に戻らないようなイメージがあります。 ですから、その人が感じた心の痛みと、 「もうだめだ」という絶望感をよく表していると思います。 でも、私は「心が折れる」に対して、ちょっと疑問を感じています。 それは「心」は「折れる」ものだろうかという疑問です。 心は傷つきやすく、痛みを感じやすいです。 でも、心はやわらかく、しなやかで、折れたりしないものではないでしょうか。 「心が折れた!もうだめだ!」と思い込むのは、 そのような表現によって「思い込まされて」(使役受け身形)いるのかもしれません。 時間がたてば、また何かのきっかけによって元気な心を取り戻せるのではないでしょうか。 使役受け身形の説明は次回! さくらは冬用の新しいうちをもらいました。