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自己紹介

「とうふ先生」と呼んでください。今まで58の国と地域から来た留学生と一緒に日本語を勉強してきました。Please call me “Teacher Tofu”. I have taught Japanese Language to the international students from 58 different countries and regions.

2014年9月28日日曜日

チンする

今日は、最初からクイズです。
問題:「チンする」とはどういう意味でしょうか。

ヒント1.「チン」は音を表しています。
ヒント2.食べることに関係があります。

先週、文化庁という国の機関が、日本人の日本語の使い方についての調査の結果を発表しました。
それによると、日本人の90%がこの言葉を使うそうです。

「する」がついているので、活用のタイプは「勉強する」などと同じ3グループの動詞ということがわかりますね。

これは、以前「夏バテ」


で紹介した「サボる」と「ググる」が
1グループの動詞として「~って」「~らない」のように活用するのとは違いますね。


では、答えは次回!

2014年9月23日火曜日

秋分の日

先週も「敬老の日」という祝日があったばかりですが、
今日も「秋分の日」という祝日です。

今日は昼間の長さと夜の長さが同じになる日で、明日からはだんだん夜の方が長くなり、季節は秋から冬へと変わっていきます。そして、12月下旬の「冬至(とうじ)」と呼ばれる日に夜がいちばん長くなり、そのあとはまた昼が長くなって、3月20日ごろの「春分の日」にまた昼と夜が同じになります。

秋の「しゅうぶん」と春の「しゅんぶん」の日は、どちらも仏教で「お彼岸(ひがん)」と呼ばれ、昔からお墓参りに行く習慣があります。
お彼岸の日には、私たちが生きているこの世と亡くなった人たちがいくあの世が近くなるという考えから、この日にお墓参りをすると言われています。


秋のお彼岸のころには、彼岸花(ひがんばな)と呼ばれる花が咲きます。
写真のようにとてもきれいな赤い花ですが、触ってはいけません。
お墓やあの世を連想させるからだけではなく、この花には毒があるそうです。


ところで今日は祝日ですが、私が働く大学は休みではなく普通に授業をやっています。なぜなら、祝日が多すぎて、全部休んでいたら授業時間が足りなくなってしまうからです。最近はどの大学でもそんなことがよくありますから、カレンダーだけを見て休みだと勘違いしないように、気を付けなければなりませんね。

2014年9月15日月曜日

「おじさん」と「おじいさん」の違い

今日、日本は「敬老の日」という祝日です。
「敬」は「尊敬」を、「老」は「老人」を表しています。つまり、今日はお年寄りに感謝や尊敬を表す日です。

今、私は「老人」を「お年寄り」という言葉に変えましたが、それには理由があります。「老人」はちょっと冷たく失礼な感じがするのです。「世界の老人の人口」のように社会について客観的に表す場合はこの言葉を使いますが、最近は「高齢者」のほうをよく使います。

普通の会話の中では、丁寧さのある「お年寄り」を使います。
また、それよりもっと身近で会話的な言葉には、「おじいさん」「おばあさん」があります。自分の祖父母という意味のほかに、一般的な高齢者の意味でも使います。

私は留学生の作文をチェックしているとき、
50歳ぐらいのおじいさんが歩いてきました。」
という表現を発見して困ってしまったことがあります。

日本では50歳ぐらいの人を「おじいさん」とは呼びません。「高齢者」は一般的に65歳以上の人をさしますが、イメージとしてはそれでもまだ若すぎるぐらいです。70歳を越えたら、やっと「高齢者」や「おじいさん」のイメージに近づきます。でも、世界には日本よりずっと平均寿命が短い国も多いので、この人の国では50歳は「おじいさん」なのかもしれません。

少し考えてから、私はこの人が「50歳ぐらいのおじさん」のつもりで、「おじいさん」と「おじさん」を間違えたのではないかと思いました。この二つの発音の違いは、ただ「じ」の音が長いか、短いかだけではありません。

アクセントの形の違い
() 「じ」った「い」
)
じさん――― ない

を区別する必要があります。これは「おばあさん」と「おばさん」も同じです。どちらもとても間違えやすい言葉です。


この作文を書いた人に確かめたところ、50歳を「高齢者」「おじいさん」だと考えていたことがわかりました。私は、世界にはまだまだ長生きが難しい国が多いということを考えさせられました。

2014年9月3日水曜日

世界の地名をカタカナでどう書くか

10年ぶりに海外旅行に行ってきました。
行ったところはオーストリアのウィーンとザルツブルグです。
上の娘がウィーンに留学しているので、家族で訪ね一緒に旅行しました。


いつも私は外国から日本へ来る人を迎える立場ですから、逆に自分が外国人になって、その国の人に道を聞いたり切符の説明をしてもらったりするのはとてもおもしろい経験でした。

オーストリアではドイツ語が使われていますが、旅行者はだいたい英語で大丈夫です。日本ももっと英語が通じるようになったら、もっと世界の人が旅行を楽しめるようになると感じました。

ところで私は最初に「オーストリアのウィーン」と書きましたが、
ここには、日本語での外国の地名の書き方に関するややこしい問題があります。


それは、国名の「オーストリア」は、ドイツ語のÖsterreichではなく 
英語のAustria の発音をカタカナにしたものなのに、
首都の名前の「ウィーン」のほうは、ドイツ語のWien の発音をもとにしていて、英語のViennaからではないということです。

このように、地名のカタカナ表記には決まったルールがなく、たまたまそうなっているという場合が多いのです。困ったことに、そのカタカナのように発音しないと、日本人には理解されません。

では、皆さんが日本人に「どこから来ましたか。」と聞かれた時、ちゃんとわかってもらうにはどうしたらいいでしょうか。

最初に聞かれた時に「ここです。」と地図を見せたうえで、
「私の国の発音では・・ですけど、日本語でどう発音しますか。」
と聞いて教えてもらうといいと思います。その時にカタカナを書いてもらうのも忘れないでくださいね!