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自己紹介

「とうふ先生」と呼んでください。今まで58の国と地域から来た留学生と一緒に日本語を勉強してきました。Please call me “Teacher Tofu”. I have taught Japanese Language to the international students from 58 different countries and regions.

2016年2月24日水曜日

「休みです」と「休みます」

先週はとても暖かくなって「春が来た!」と思ったのですが、今日はとても寒いです。暖かくなったり寒くなったり、天気がよく変わるので、風邪をひく人が多いですね。

風邪をひいて学校へ行くことができないと思ったら、いい学生は電話で連絡しますね。その時の言い方は、次のA・Bのどちらが正しいでしょうか。

すみません。熱があるので、今日は
A 休みです。
B 休みます。

「どちらも」ではありません!
正しいのはBです。Bだけです。
AとBは何がちがうのでしょうか。

A・・・名詞Noun〔休み〕+です。
〔休み〕という名詞の意味は、学校・会社・店などがやっていない日のことです。
例)「この学校の休みは土曜日と日曜日です。」
学校の授業がある日に自分が行かないときは、Aは間違いです。
学校は休みじゃありませんから。

B・・・動詞Verb〔休む〕→休みます。
こちらは、学校はやっていますが、自分は行かないという意味です。
今日これから〔休む〕ので、「休みます」と、ます形で言います。

もともと、動詞〔休む〕の意味は、何かをしていて疲れた時に、一度ちょっと止まるということです。山に登っているとき、仕事や勉強をしているとき、疲れたら〔休む〕ことは大切ですね。休むのは、また元気になって続けるためです。

風邪をひいて〔休む〕ときも、ゆっくり休んで元気になって、また学校に行くことが大切です。

では、こんな場合はどうでしょうか。
ある日勉強したくないので、学校をサボってしまいました。町へ遊びに行ったら、知っている人に会いました。
「あれ? 今日、学校は?」
さあ、あなたなら、この質問にどう答えますか。
A「今日は休みです。」
B「今日は休んでいます。」

さくらちゃん、今日は休みですか? 休んでいますか?


2016年2月8日月曜日

「さようなら」のふしぎ 2.

今回は、前回に続き「さようなら」「さよなら」について考えてみましょう。
会話例A、B、Cのうちで、実際に使わないものは…

実は、全部です! AもBもCも、実際に聞くことのない「へんな会話」なんです。なぜ??
私の考えでは、「さようなら」が「別れ」のイメージがとても強い言葉だからだと思います。そのことが、ABCそれぞれの会話を「へんな会話」にしていると考えられます。

それでは一つずつ見ていきましょう。

A…店で客と店員が話しています。客は今お金を払い終わりました。
店員:「ありがとうございました。さようなら。」
客:「さよなら。」

実際には、下のように言います。
店員:「ありがとうございました。またおこしください。」
客:「… 」(ふつうは何も言いません)

もし、店員がお客さんに「さようなら」と言ったら、まるでお客さんがその店にもう来ないような感じがします。それはだめですよね。
ですから、「またおこしください。」といいます。「おこしください。」は「来てください」の敬語です。このあいさつに対して、客が「…」(何も言わない)のはひどいと思う人は、
を見てくださいね。

B…学校で授業が終わりました。
先生:「今日は終わりです。では、みなさんさようなら。
学生:「先生、さようなら。

このように言うのは、幼稚園か小学校です。「学生」つまり、大学生など、大人の学校では、このあいさつはしません。

大学の講義のような人数が多い授業では「  」のことばは何も言いません

小さい人数でする授業や仕事などの場合は、「お疲れ様でした。」「ありがとうございました。」と言います。そして、「お先に失礼します。」と言って部屋を出ます。

C…友達と遊びに行って、帰ってきました。
「今日は楽しかったね。」
「ほんとに楽しかったね。また行こうね。」
「うん。じゃ、さよなら。」
さよなら。」

これも、普通は「じゃ、また。」「じゃあね。」などと言います。「では、また会いましょう。」という意味です。
もしも、デートの後で「さよなら」と言ったら、どうなるでしょうか?!危険な誤解が起きそうですね。「さよなら」は本当に彼氏・彼女と別れるときだけ使ったほうがいいです。

わたしたちは人と別れるとき、「また会いたい」「また会えるだろう」と考えますね。これが、「別れ」のイメージが強い「さようなら」を使わない理由かもしれません。

使わないのに、「さようなら」は「別れのことば」の代表として大切な言葉なんです。ふしぎですね。

2016年2月4日木曜日

「さようなら」のふしぎ 1.

今日24日は、日本の伝統的なカレンダーで「立春(りっしゅん)」と呼ばれる日です。意味は、「今日から春が始まります」ということです。
昨日23日は

で紹介したように、冬が終わる日、「節分」でした。そして今日から「春」ということなのですが、じっさいはまだ一年で一番寒いときです。「もう春になった」というのは人々の心にあるイメージで、現実とは違います。

日本では、春は「別れ」の季節です。学校が4月に始まって3月に終わるからです。そして、日本語で別れのあいさつと言えば、もちろん「さようなら」ですね。これは日本語を勉強したことがない人でも知っているくらい、有名な言葉です。でも、この言葉を本当にどのように使うかは、イメージとちがうかもしれません。

例えば、次のABCの会話の中で、実際には聞かないものはどれでしょうか。

A…店で客と店員が話しています。客は今お金を払い終わりました。
店員:「ありがとうございました。さようなら。」
客:「さよなら。」

B…学校で授業が終わりました。
先生:「今日は終わりです。では、みなさんさようなら。」
学生:「先生、さようなら。」

C…友達と遊びに行って、帰ってきました。ここで友達と別れます。
「今日は楽しかったね。」
「ほんとに楽しかったね。また行こうね。」
「うん。じゃ、さよなら。」
「さよなら。」

実際に使われないのは、どれだと思いますか。

答えは次に!