「動詞の3つのグループ」って? 五段動詞・一段動詞・変格動詞
9月は、秋学期の始まりです。私は2つの大学で中級レベルを教えていますが、クラスに来る学生の中には、基本的な文法が苦手な人がたくさんいます。文法を勉強したけれどもう忘れてしまった人もいれば、文法を勉強したことがなくて自分でアニメやドラマを見て日本語を覚えた人もいます。そんな人のために、今日は一番基本の「動詞の3つのグループ」について説明したいと思います。これを知らないと、話しても書いてもたくさん間違えてしまいます。
「動詞(どうし:verb)」というのは、「たべる」「みる」のような「動き」を表す言葉です。3つのグループは動詞の意味とは関係なく、活用(かつよう:かたちがかわること)のタイプが違うのです。グループの名前は、教科書や学校によっていろいろあります。
3グループの動詞は、変格irregularの名前のとおり、不規則に形が変わりますが、「する」と「くる」の2つしかないので、覚えるだけです。
する:しない-します-する-すれば-しよう
くる:こない-きます-くる-くれば-こよう
次に、1グループを見てみましょう。1グループには「5段動詞」という別の名前がありますが、これはa/ i /u /e /oの5つの音を使って形が変わるということです。
聞く:きかない-ききます-きく-きけば-きこう
待つ:またない-まちます-まつ-まてば-まとう
乗る:のらない-のります-のる-のれば-のろう
2グループはどうでしょうか。2グループは、a i u e oの変化がありません。変化しない部分があって、そこに「ない」「ます」「れば」「よう」などをつけます。
食べる:たべない-たべます-たべる-たべれば-たべよう
見る:みない-みます-みる-みれば-みよう
では、どうすれば、「この動詞は1グループか、2グループか」ということがわかるのでしょうか。
① 辞書形(じしょけい:basicな形)の終わりの音が「る」ではないものは、全部1グループです。たとえば、「つかう」「かく」「はなす」「まつ」「しぬ」「よむ」「いそぐ」「あそぶ」などは、1グループです。
② 「る」で終わる動詞の中で、「る」のひとつまえの音が「a/u/o」のどれかなら、1グループです。たとえば、「おわる owaru」「つくる tukuru」「のるnoru」などは1グループです。
③ 「る」で終わる動詞の中で、「る」のひとつまえの音が「i/e」のどちらかなら、2グループのことが多いです。でも、全部2グループではありません。1グループのものもあります。
たとえば、kiruという同じ音でも「(野菜を)切る」は1グループですが、「(シャツを)着る」は2グループです。
切る:きらない-きります-きる-きれば-きろう
着る:きない-きます-きる-きれば-きよう
同じように、kaeruも二つあって「(うちへ)帰る」は1グループで、「(考えを)変える」は2グループです。
ここがちょっと難しいですが、新しい動詞に出会ったら、ぜひグループもいっしょに覚えるようにしてください。
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