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自己紹介

「とうふ先生」と呼んでください。今まで58の国と地域から来た留学生と一緒に日本語を勉強してきました。Please call me “Teacher Tofu”. I have taught Japanese Language to the international students from 58 different countries and regions.

2015年11月14日土曜日

助詞をまちがえたらどうなるか1

「日本語で何が難しいですか。」と質問すると、大勢の人が「が」「に」「を」などの助詞がいちばん難しいと答えます。

では、助詞を間違えた場合、どんな問題が起きるでしょうか。
あまり問題が起きない場合と、大きい問題が起きる場合があると思います。

あまり問題が起きない場合は、相手に「ちょっとへんだな」と思われますが、何が言いたいかわかってもらえます。

例えば、「に」と「で」を間違えて、「東京住んでいます。」と言った場合がそうです。
相手は「東京住んでいます」という意味だろうとわかってくれます。
「に」と「で」の違いについては


を見てくださいね。

反対に、助詞の間違いによって、すごい意味になってしまうこともあります。
先週、私が教えている大学の授業で、
「落ちてくる」ということばの使い方を練習していました。
ものが落ちて、話している「わたし」のほうへ来るという意味です。

Aさんが、こんな例文を作りました。

木の枝から  落ちてきた。

その時の私たちの会話です。
とうふ:「ええーっ、本当ですか?! 怖すぎます。」
Aさん:「本当です。」
とうふ:「警察を呼びましたか?」
Aさん:「なぜ…?」

もう一度よく聞いてみたら、実はAさんが言いたいことは、
こちらでした。

から   落ちてきた。

これも、少しびっくりすることですが、警察を呼ばなくてもいいですね。



この文の中心にあるのは、
 落ちてきた  という動詞です。
そして、「」「」「」という名詞と
落ちてきた  との関係を表しているのが助詞です。

から 「落ちてくる」という動きが始まるところ
  落ちてきたもの  
  落ちてきたものが行く方向

ですから、名詞につく助詞が同じだったら、
ことばの順番を
 から  落ちてきた。
のように変えても、意味は同じです。

助詞は気にしすぎたらだめですが、やっぱり日本語の中で大きい仕事をしています。
次回、助詞の違いがとても重要な例をもう一つ紹介します。