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自己紹介

「とうふ先生」と呼んでください。今まで58の国と地域から来た留学生と一緒に日本語を勉強してきました。Please call me “Teacher Tofu”. I have taught Japanese Language to the international students from 58 different countries and regions.

2018年7月25日水曜日

日本の子どもと漢字


 こんにちは!久しぶりに「お帰り!日本語教室」の記事を書いています。私が教えている二つの大学の春学期の授業が、どちらも先週、終わりました。実は、この春学期の間、新しい記事を書くことができませんでした。やっと夏休みになったので、これから頑張って書こうと思っています。

 今日私は、美容院へ髪を切りに行きました。普通、美容院には、待っている間に読む雑誌が置いてあります。この美容院は子どものお客さんも多いようで、子どもの本のコーナーがありました。そこに、こんなサインがありました。

私は、「あれ?これ、大丈夫?」と思って、もう一度サインをよく見てみました。


 本は、幼稚園や、小学校1、2年生の子ども用の本です。そして、このサインの言葉は、「読み終わったら本を戻してください。」ではなく、「~てね。」です。これは、子どもに話しかけるときの言い方です。それなのに、サインの漢字にはふりがながついていないのです。そんな小さい子供が、この漢字を全部読めるのでしょうか?
 うちへ帰って、この漢字を子供たちがいつ勉強するのか調べてみました。「本」は小学校1年生、「読」と「元」は2年生、「終」は3年生、そして「戻」は小学校で習わない漢字だとわかりました。
 私だったら、「ほんをよみおわったらもとにもどしてね。」と書くだろうと思いました。そして、このサインを貼った店の人は、小さいお客さんに対してあまり親切じゃないかもしれないと思いました。
 でも、そのあとで、だんだん私の考えは変わりました。考えてみれば、美容院へ来る子供は、大人の家族といっしょに来るはずです。そうすれば、「お母さん、これ、なんて読むの?」と質問するはずです。そして、経験から漢字を覚えることができます。このようにして、日本の子どもたちは、学校で習うより先に、生活の中で自然に漢字を覚えていくのだと思いました。