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自己紹介

「とうふ先生」と呼んでください。今まで58の国と地域から来た留学生と一緒に日本語を勉強してきました。Please call me “Teacher Tofu”. I have taught Japanese Language to the international students from 58 different countries and regions.

2014年10月31日金曜日

日本のハロウィン

皆さんの国にハロウィン(Halloween)はありますか。今日1031日がその日ですが、
これはもともと欧米の行事で、魔女やお化けの格好をした子供たちが、近所の家を訪ねてお菓子をもらったりするんですよね。

ハロウィンについては、昔は英語の授業で「外国にはこんな祭りがあります」と習うだけで、日本は関係ないという感じでした。
ところがこの2、3年ぐらいの間に、日本でもこの行事が行われるようになってきました。そして、日本に入ってくるときにもともとの欧米の行事とはちょっと変わってしまった点があります。

この「和製ハロウィン」の一番目の特徴は、まず大人(といっても若い人ですが)のコスプレ・パーティーのようになっていることです。町での仮装パレード、友たちとのパーティーなど、大勢の人が「いつもの自分とは違う姿」で参加しています。
もう一つは、1031日当日だけではなく、期間が長いということです。先週ぐらいから、週末を中心にいろいろな行事が行われているようです。


実は先週の日曜日、何も知らずに買い物に出かけたら、ちょうど大規模な仮装パレードが終わったところでした。満員電車の中で、私のそばにはうちへ帰るお化け、魔女、ゾンビ、ドラキュラ、アニメのキャラクターなどがいっぱい! 皆さん化粧や服はそのままですが、心はもとの普通の人間に戻っているようで、みんなちょっと困ったような顔をして静かに立っていましたよ。

2014年10月18日土曜日

「い形容詞」と「な形容詞」の接続の形

前回紹介した間違いは、下線の部分が違います。
よく見る間違い1.  大型猛烈台風 
よく見る間違い2.  強いで大型の台風 

まず、1.の「大型」について、
「大型」は名詞ですが、「ペンとノート」のような物ではなく、状態を表しているので、
「(~は )N だ。」という名詞文の接続の形「~で」にしなければなりません。
また、「猛烈N」について、
これはな形容詞ですから、「猛烈」にしなければなりません。

次に、2.の「強いで」について、
「強い」はい形容詞ですから、接続の形は「強くて~」にしなければなりません。

では、二つ並べて表現する場合の接続の形を整理してみましょう。
久しぶりに、この教室のアシスタント、猫のさくらの登場です。


「さくらは ~  だ。」の「~」に入ることばを用意しました。
い形容詞: 耳が大きい   顔が小さい   かわいい
な形容詞: 元気な     活発な
名詞:   雑種の     小型の

二つを組み合わせる場合、前に来る方の接続の形は次のようになります。
い形容詞 → ~くて
な形容詞 → ~で
名詞  →  ~で

1) さくらは、 耳が大きくて顔が小さい猫だ。       
2)さくらは、 かわいくて 元気な猫だ。
例3)さくらは、 元気で かわいい猫だ。
例4)さくらは、 元気で 活発な猫だ。

5) さくらは、 雑種で 小型の猫だ。

ちょっと複雑で面倒ですが、この規則をきちんと覚えたら正確さは大きくアップします!



2014年10月12日日曜日

台風の大きさと強さを表す言葉

先週の月曜日、台風18号が来たばかりなのに、
もう次の台風19号がこちらに向かって来ています。
あさって火曜日には関東地方に大きな影響が出ると言われています。


ニュースでは今回の19号を「大型で強い台風」と言っています。 

気象庁のホームページによると、台風を表す表現の使い方ははっきりと決まっているそうです。



「大型(おおがた)」という言葉は、サイズを表していますが、
風速15m/s以上の強い風が吹いているところの半径が
500㎞~800㎞未満の場合は「大型」
800㎞以上なら「超大型(ちょうおおがた)」です。
 (図:気象庁HPより)


「強い」のほうは一番強い風がどのくらいかを表していて、
33m/s 44m/s 未満は「強い」
44m/s 54m/s 未満は「非常に強い」
54m/s 以上なら「猛烈(もうれつ)な」です。

ニュースや天気予報では、言葉の使い方の正確さが大切なことがよくわかりますね。

ここで使われている表現を日本語文法の点から見てみると、
中心となる名詞N(ここでは「台風」)にどのように続くかという点で、
3つのタイプがあることがわかります。
1.[い形容詞]  ~い N  例)強い台風
2.[な形容詞]  ~な N  例)猛烈な台風
3.[名詞]    ~の N  例)大型の台風

どの言葉がどのタイプかは間違えやすく、皆さんも悩まされてきたのではないでしょうか。
特にこれらを2つ組み合わせる場合には、間違いがとても多くなります。

よく見る間違い1.  大型と猛烈の台風
よく見る間違い2.  強いで大型の台風

どこが間違っているのでしょうか? 
そして、どうすればいいのでしょうか?
答えは次回!

2014年10月4日土曜日

料理で使う言葉

前回の問題「チンする」の意味ですが、もうわかった人も多いのではないでしょうか。

これは「電子レンジで加熱する」と言う意味です。
「加熱」、つまり「熱を加える」ことは料理するうえで重要なことですね。

電子レンジが発明されるずっと前から、人々は
「(火で直接)焼く」
「(スープで)煮る」
「(油で)揚げる」
「(水蒸気で)蒸す」
などの方法で料理をしてきました。

科学的な発明品である電子レンジはこの全部の働きをしますから、
「(電子レンジで)加熱する」が正しい表現です。
でも、「焼く」「煮る」「揚げる」「蒸す」が生活会話で気軽に使える言葉なのに対して、「加熱する」はちょっと科学的すぎて固い感じがします。

そこで、加熱時間が終わったことを知らせる「チン!」という音から「チンする」という言葉が使われるようになりました。冷凍食品のCMでも「レンジでチンするだけ」のように使われたことから、広まっていきました。
最近の電子レンジで「チン」という音が出るものは ほとんどなく、音楽のようないろいろな音に変わりましたが、この言葉は残りました。

ほかの表現として「電子レンジで温める」もあります。
これは冷めてしまった料理をもう一度温かい状態にもどす場合に使われ、日本のコンビニでお弁当を買ったら、

店員:温めますか?
客:はい、お願いします。
  いいえ、結構です。

のような会話が行われます。


また、「チンする」という言葉には、冷凍食品などをちょっと温めるだけの簡単な料理というイメージがあります。みなさん、時間があるときは、チンするだけじゃない料理を作りましょうね。